第4章

そして動き出した車の流れを横目に,悠々と流れる川の上に,空を見た.僕は広く空を見た.遮るものがないならば空はこんなにも広い.遠い場所までつながっていて,未来まで続いている.風はほどほどに冷たく,僕はほほに温もりを感じて,変化を全身で受けたいと思った.昼は青く,夕は橙で,夜は暗く,点々と不思議な光を集めていた.とても一人では相手にならないでっかな空が開いた両手の先におさまっていたのだった.