職業詩人
職業を持てば色んなことが変わるだろうな.
呆けた時間が無くなって,疲れたら余裕も無くなるだろうし,
楽しいって思う事も,素敵だって思う物も,違ってくるんだろう.
何かをするにしても,楽な道を選ぶようになるかもしれないし,
何かを求めるにしても,ただ高価なものを選ぶだけになるかもしれない.
となると,変わらないものって何がある.
まず家族は変わらない.名前も変わらない.
経験や思い出といったものも変わらない.
嫌な思い出であっても変えることは出来ない.
そして自分の中のわりと根源的なところは変わってはくれないだろう.
この歳になるまで,人生の節々で何度も姿を見せた
自分の変われないところ.
鈍臭いところや,たくさんの事を一度にできないところ,などなど.
自分から卒業はできない.
変わらない土台の上には,いつの間にやら色んなものが積み重なっていく.
そして時間はいつもそれらを崩してしまい,僕らは悲しむ.
もう一度新しい何かが積み重なっていくと,やがて崩れ去り,同じような繰り返しは続く.
そしたら,地層のように土台が厚みを増していって,この前は無かった自分が増えていく.
土台は変わらない.肩書きがどうなっても.
歌を作り歌う事が好きです.
これが誰かのためになれたならそりゃ最高です.
自分と向き合う事は世界と向き合う事であって,
ホントはずっと先の将来で,光を帯びたステージを夢見ているのです.
でも,このままをずっと続けていけたならいい,
その場その場で笑えればいいな,と今はそれだけ思います.